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Linuxmania:活用ガイド


■ 相ノ坂モデル デュアルディスプレイ設定方法 (Fedora 7) (Fedora)


 Linuxmania 相ノ坂モデルを
  (1) デュアルディスプレイ化する方法
  (2) シングルディスプレイに戻す方法
  (3) 設定に失敗した時の復旧方法
 について紹介します。


※ 以下の手順は、現時点で「相ノ坂モデル(945GMチップセット搭載)」のFedora 7環境でのみ動作確認しております。 「相ノ坂モデル(GM965チップセット搭載)」のUbuntu 7.04環境では、動作確認できておりません。

お使いのモデルがどちらのモデルであるか調べるためには、お買い上げの際に同梱されております
製品仕様書をご覧になるか、あるいは端末から以下のコマンドを実行してください。

guest@localhost:~$ dmesg | grep 945
「Detected an Intel 945GM Chipset.」というメッセージが表示されたら、
「相ノ坂モデル(945GMチップセット搭載)」です。



手順(1) 相ノ坂モデル をデュアルディスプレイ化する


0. 準備

 ・2つのディスプレイで表示したい画面サイズ(解像度)をメモしておきます。
 ・2つのディスプレイをPCに接続しておきます。
  ※アナログ接続のディスプレイが1台目、デジタル接続のディスプレイが2台目と認識されます。



1. root ユーザでログインします。



2. 端末を起動します。

 メニューの [アプリケーション] → [システムツール] → [端末] を実行します。



3. 設定を変更する前に、設定変更が失敗しても大丈夫なよう設定しておきます。

 テキストエディタで /etc/inittab ファイルを開きます。

 [root@localhost ~]# gedit /etc/inittab

 次の行を、

    id:5:initdefault:

 以下のように書き換えます。

    id:3:initdefault:

 ※こうすることで、万が一デュアルディスプレイ設定が失敗しても、
  元のシングルディスプレイの設定に書き戻す作業が可能になります。

 ファイルを保存し、テキストエディタを終了します。



4. 設定を変更する前に、設定ファイルをバックアップしておきます。

 [root@localhost ~]# cd /etc/X11
 [root@localhost X11]# cp xorg.conf xorg.conf.singleview



5. デュアルディスプレイ化に必要なドライバがインストールされているか確認します。

 [root@localhost X11]# rpm -qa | grep i810

 i810 が含まれる行が表示されれば、ドライバは既にインストールされています。

 ドライバがインストールされていない場合は、インストールする必要があります。
 次のコマンドを実行してください。

 [root@localhost X11]# yum install xorg-x11-drv-i810



6. 設定ファイルxorg.confを書き換えます。

 テキストエディタを起動し、xorg.conf を開きます。

 [root@localhost X11]# gedit xorg.conf



7-1. Section "Files" の項目を追加します。

 以下の行をxorg.confに追加してください。
 ※どこでも構いませんが、ファイルの先頭の方がよいでしょう。

  Section "Files"
    FontPath  "/usr/share/X11/fonts/misc:unscaled"
    FontPath  "/usr/share/X11/fonts/75dpi:unscaled"
    FontPath  "/usr/share/X11/fonts/100dpi:unscaled"
    FontPath  "/usr/share/X11/fonts/Type1"
    FontPath  "/usr/share/X11/fonts/TTF"
    FontPath  "/usr/share/fonts/default/Type1"
    FontPath  "/usr/share/fonts/japanese/misc:unscaled"
    FontPath  "/usr/share/fonts/japanese/misc"
    FontPath  "/usr/share/fonts/japanese/TrueType"
  EndSection



7-2. Section "ServerLayout" の項目を編集します。

 以下のように編集してください。

  Section "ServerLayout"
    Identifier  "Multihead Layout"
    Screen  0  "Screen0" 0 0
    Screen  1  "Screen1" LeftOf "Screen0"
    InputDevice "Keyboard0" "CoreKeyboard"
    Option  "Xinerama" "on"
    Option  "Clone" "false"
  EndSection

 ※2台目のディスプレイ (Screen1) を1台目のディスプレイの左に置いてあると想定しています。
  右に置いてある場合は、LeftOf を RightOf に書き換えてください。



7-3. Section "Device" の項目を編集し、2つにします。

 以下のように編集してください。

 まず、1つ目を編集します。

 Section "Device"
    Identifier  "Intel0"
    Driver  "i810"
    BusID   "PCI:0:2:0"
    Option  "Display" "Monitor0"
    Option  "DevicePresence" "true"
    Option  "MonitorLayout" "CRT,DFP"
    Option  "MergedFB" "true"
    Option  "MergedDPI" "100 100"
    Option  "DRI" "true"
    Screen 0
  EndSection

※デュアルディスプレイを構成する2台のモニタの画面サイズが異なる場合は、
  以下の行を途中に追加してください。(片方が 1280x1024、もう片方が 1024x768 の例です)

    Option  "MetaModes" "1024x768-1280x1024"

 次に、2つ目を追加します。

  Section "Device"
    Identifier  "Intel1"
    Driver  "i810"
    BusID   "PCI:0:2:0"
    Option  "Display" "Monitor1"
    Option  "DevicePresence" "true"
    Option  "MonitorLayout" "CRT,DFP"
    Option  "DRI" "true"
    Screen 1
  EndSection



7-4. Section "Monitor" の項目を編集し、2つにします。

 以下のように編集してください。

  Section "Monitor"
    Identifier "Monitor0"
    Option "DPMS"
  EndSection

  Section "Monitor"
    Identifier "Monitor1"
    Option "DPMS"
  EndSection



7-5. Section "Screen" の項目を編集し、2つにします。

 以下のように編集してください。

 まず、1つ目を編集します。

  Section "Screen"
    Identifier "Screen0"
    Device  "Intel0"
    Monitor "Monitor0"
    DefaultDepth  24
    SubSection "Display"
      Viewport 0 0
      Depth   24
      Modes   "1280x1024"
    EndSubSection
  EndSection

 ※Modesの行には、1台目のディスプレイ(アナログ接続)の画面サイズを書きます。
  必ず「"」(ダブルクォーテーション(Shift+2))でくくってください。
  画面横幅x画面縦幅 (間のバツは英小文字の x (エックス) です)

 次に、2つ目を追加します。

  Section "Screen"
    Identifier "Screen1"
    Device  "Intel1"
    Monitor "Monitor1"
    DefaultDepth  24
    SubSection "Display"
      Viewport 0 0
      Depth   24
      Modes   "1024x768"
    EndSubSection
  EndSection

 ※Modesの行には、2台目のディスプレイ(デジタル接続)の画面サイズを書きます。
  必ず「"」(ダブルクォーテーション(Shift+2))でくくってください。
  画面横幅x画面縦幅 (間のバツは英小文字の x (エックス) です)



7-6. 設定ファイルの編集が全て終わったら、保存を実行してテキストエディタを終了します。



8. PCを再起動します。

 [root@localhost X11]# reboot



9. Linuxがテキストモードで起動します。

 Login: プロンプトが出るので、通常と同様にユーザ名とパスワードを入力してログインします。



10. ウィンドウ環境を起動します。

  [user@localhost ~]$ startx

 設定ファイル書き換えが成功していれば、無事ウィンドウ環境が起動します。

 ※万が一、エラーが出てウィンドウ環境が起動できない場合は、
  次の「手順(2) シングルディスプレイに戻す」を実行し、一度元に戻してください。
  それから、設定ファイルを再編集してください。



11. /etc/inittab を再編集し、PCが最初からウィンドウ環境で起動するように戻します。

 テキストエディタで/etc/inittabファイルを開きます。

 [root@localhost ~]# gedit /etc/inittab

 次の行を、

    id:3:initdefault:

 以下のように書き換えます。

    id:5:initdefault:

 ファイルを保存し、テキストエディタを終了します。



12. PCを再起動すると、最初からウィンドウ環境で起動します。

 [root@localhost X11]# reboot





手順(2) シングルディスプレイに戻す


 設定ファイルxorg.confをシングルディスプレイ設定のものに書き戻します。


1. 以下のコマンドを実行するには、管理者権限が必要です。

 suコマンドを実行し、root (管理者)になります。

 [user@localhost ~]$ su -
 パスワード: (管理者用パスワードを入力します)
 [root@localhost ~]#

 管理者権限を得るのに成功すると、プロンプトが$から#に変化します。



2. X 設定ファイル xorg.conf をバックアップから書き戻します。

 [root@localhost ~]# cd /etc/X11
 [root@localhost X11]# cp xorg.conf xorg.conf.dualview
 [root@localhost X11]# cp xorg.conf.singleview xorg.conf

 ※現在のxorg.confをxorg.conf.dualviewにコピーするのは、後で編集し直せるようにするためです。
  再度デュアルディスプレイ化に挑戦する場合は、xorg.conf.dualviewを編集した後に
  xorg.confを上書きすることになります。



3. 一般ユーザに戻ります。

  [root@localhost X11]# exit
  [user@localhost ~]$



4. ウィンドウ環境を起動します。

  [user@localhost ~]$ startx

 シングルディスプレイ設定でウィンドウ環境が起動します。




手順(3) Linuxにログインできなくなってしまった時に復旧する


 手順(1)の4を実行すればLinuxにログインできなくなることはないはずですが、
 万が一Linuxにログインできなくなってしまった場合の対応策を説明します。

 ※Linux自体は起動することが必要条件です。



1. Tabキーを押しながらPCを起動します。

 GRUBメニュー(青い画面)が表示されます。



2. Eキーを押します。

 すると、以下の表示 (3行) が出ます。

  root (hd0,0)
  kernel /vmlinuz-2.6.21-(中略) ro root=(後略)
  initrd /initrd-2.6.21-(中略).img



3. 2行目、kernel の行にカーソルキーでカーソルを合わせ、E キーを押します。

 Linuxの起動時オプションを編集できるようになります。



4. 末尾に「single」というキーワードを追加し、Enter キーを押します。

 次のように表示されますので、

  </LogVol00 rhgb quiet

 以下のように追加し、Enterキーを押します。

  </LogVol00 rhgb quiet single



5. Bキーを押し、Linuxを起動します。



6. 起動の途中に、特殊なプロンプトが出ます。

 次のプロンプトが出ます。

  sh-3.2#

 ※管理者権限でコマンドを実行できるようになります。



7. 設定ファイル xorg.conf を、シングルディスプレイモードのものに書き戻します。

  sh-3.2# cd /etc/X11
  sh-3.2# cp xorg.conf xorg.conf.dualview
  sh-3.2# cp xorg.conf.singleview xorg.conf

 ※現在のxorg.confをxorg.conf.dualviewにコピーするのは、後で編集し直せるようにするためです。
  再度デュアルディスプレイ化に挑戦する場合は、xorg.conf.dualviewを編集した後に
  xorg.confを上書きすることになります。



8. exit コマンドを実行し、PC の起動を続行します。

  sh-3.2# exit

 PCの起動が再開され、シングルディスプレイでウィンドウ環境が起動します。




[作成日 2007/7/24]