■Open WebUI ナレッジ機能プロンプト機能の目的と使い方
はじめに
ここでは、Open Web UIの「ナレッジ (Knowledge)」と「プロンプト (Prompts)」について紹介します。
◆「ナレッジ (Knowledge)」
「ワークスペース」内の「ナレッジ (Knowledge)」(またはナレッジベース)は、Open WebUIにおける「RAG(検索拡張生成)の中核管理センター」です。
ナレッジは、「AIが参照する専門辞書や資料集を、用途別にパッケージ化して管理する」場所です。
「ナレッジ」機能を使うことで、Llama 3は「一般的な知識しか持たないAI」から、「あなたの手持ちの資料をすべて把握している専属アシスタント」へと進化します。
1. 主な目的:情報の「構造化」と「再利用」
単にファイルをアップロードするだけではなく、大量の資料を特定のテーマごとにグループ化し、必要な時に必要な知識だけをAIに引き出させるのが目的です。
- 情報の整理: 「プロジェクトAの資料」「2025年度の経理規定」「Python公式ドキュメント」のように、バラバラなファイルを「ナレッジ」としてまとめます。
- 精度の向上: チャットごとに「どのナレッジを参照するか」を指定できるため、関係ない情報が混ざってAIが混乱するのを防げます。
2.「ナレッジ」の具体的な使いかた
ステップ1:ナレッジの作成
- 1.ワークスペース > ナレッジ に移動し、「+」ボタンで新規作成。
- 2.名前(例:社内マニュアル)や説明を入力。
- 3.そのナレッジに含めたいファイル(PDF, CSV, TXTなど)をアップロードしたり、WebサイトのURLを指定して内容を取り込ませたりします。
ステップ2:チャットでの呼び出し(RAGの実行)
作成したナレッジは、チャット中に簡単に呼び出せます。
- チャット入力欄に # (ハッシュ) を入力すると、作成したナレッジ名(例:#社内マニュアル)が表示されるので選択します。
- これで、Llama 3はそのナレッジの内容だけを根拠に回答するようになります。
ステップ3:モデルへの紐付け(自動RAG)
前述の「カスタムモデル」作成画面で、この「ナレッジ」をあらかじめセットしておくことができます。
- これを行うと、そのモデルを選んで質問するだけで、ユーザーが都度 # で指定しなくても、AIが勝手にナレッジから答えを探して回答してくれるようになります。
3.「ドキュメント」と「ナレッジ」の違い
以下のような違いがあります。
| 機能 |
役割 |
イメージ |
| ドキュメント |
個別のファイル管理 |
1枚1枚の「書類」 |
| ナレッジ |
ファイルの集合体(バインダー) |
1特定のテーマでまとめた「本棚」 |
4.便利な活用シーンの例
- プログラミング学習: 自分が書いた過去のコードや、特定のライブラリのリファレンスを「ナレッジ」に放り込んでおき、AIに「俺の書き方の癖に合わせて修正して」と頼む。
- 技術調査: 関連する論文PDFを10個くらい「ナレッジ」にまとめ、「これらの論文に共通する課題をリストアップして」と一括で分析させる。
◆「プロンプト (Prompts)」
「ワークスペース」内のプロンプト (Prompts)」機能は、簡潔に申し上げますと「よく使う指示(命令文)の定型文テンプレート集」です。
Llama 3を使っている中で何度も使用している指示は、登録して / コマンドにすると便利です。
1. 主な目的:入力の効率化と標準化
「プロンプト」機能を使うと、チャット欄で / (スラッシュ) を入力するだけで、複雑な指示を一瞬で呼び出せます。
- 時短: 長い指示(例:「以下の文章を要約して、重要な3点を箇条書きにし、最後にネクストアクションを提案して」)を毎回打たなくて済みます。
- 精度の安定: 上手くいった指示を保存しておくことで、いつでも同じ品質の回答をAIから引き出せます。
2. 「プロンプト」の作り方と設定項目
「プロンプトを作成」画面では、以下の要素を設定します。
- Title (タイトル): 管理用の名前(例:文章校正、コード解説
- 精度の安定: 上手くいった指示を保存しておくことで、いつでも同じ品質の回答をAIから引き出せます。
- Content (内容): AIへの具体的な指示。
・便利な「変数」機能
プロンプトの中に [text] や {{input}} といったプレースホルダー(変数)を含めることができます。
こちらを使うと、コマンドを呼び出した後に「どの部分を処理するか」をその場で入力できるようになります。
3. 具体的な活用例
例えば、以下のようなプロンプトを登録しておくと非常に捗ります。
例A:翻訳・リライト
- コマンド名: /translate
- 内容: 以下の文章を、自然なビジネス日本語に翻訳してください。専門用語は原文のままにしてください: [text]
例B:コードの解説(プログラミング用)
- コマンド名: /explain
- 内容: このコードが何をしているのか、ステップバイステップで初心者にもわかりやすく解説してください。また、改善点があれば提案してください: [text]
4. 実際の使いかたの流れ
- ワークスペース > プロンプト で、上記の例のようなコマンドを作成・保存します。
- 通常のチャット画面に行き、入力欄に / と打ちます。
- 登録したコマンドのリストがポップアップするので選択します。
- /translate こんにちは のように続けて入力して送信すれば、登録した長い指示が自動的に適用されて実行されます。
5. 「モデル(Models)」機能との使い分け
以下のような使い分けをします。
モデル (Models):
AIの「人格・専門性」を丸ごと切り替える。
例)「あなたは常に英語で答える翻訳家です」という状態にする。
プロンプト (Prompts):
普段の会話の中で、「特定の作業(タスク)」を手軽に頼む。
例:普段は雑談しているが、今だけ「この文を要約して」と頼む。
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